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2021/01/19 19:27

日経の社説がトランプの件と絡めて、SNSプラットフォームは倫理的配慮を欠いていたのでは、と書いていました。
倫理って何なんでしょうね。民衆に寄り添うのが倫理なら、今のSNSはとても効率的に達成しているように思えますし、国家に寄り添うのが倫理なら、国家管理のローカルネット+αが最高という話になります(kaw**goやドイツの主張も概ねそういうことでしょう)。

結局、独占や寡占が諸悪の根源なんですかね。ネットが普及したのも、民衆が国家という独占を嫌ったためでしょうし、企業による独占を嫌った次はどこに落ち着くのかが気になります。

しかし、人々がプラットフォームの恐ろしさを実感したのは、とてもよいことなのではないでしょうか。日本人にも伝わるとよいのですが、はてさて。
- ???

SNSプラットフォームが単なる私企業の持ち物だと考えるのであれば、どうせ人々は巨大プラットフォームを捨てられないのだから「倫理的配慮とか知りませんし、ウチの判断で消したり凍結したりしますよ」と正直に伝えても大きな問題にはならないような気がします。仮にそんなアナウンスがあってもなお、多くの人々はハッシュタグを使った「プラットフォームに楯突く連帯」のエンターテイメントを数日間楽しんで、飽きたらそのプラットフォームの中で次の敵を探しに行くはずですから。彼らの多くは攻撃的な発言をする有名人ではない(そのどちらかである人は多いけれど)し、プラットフォームは真実を語る自分の味方だと今も素朴に思っています。しかし、「言論の場を守ります」という口先だけの約束は、そういう利用者にとって気持ちのいい言葉というだけで、単に独占の進むプラットフォームのあり方を精査せず先延ばしにしているだけです。

一方、SNSプラットフォームを「倫理的配慮」が必要な公共性の高いインフラととらえるなら、電気通信事業法のようなやり方で私企業に表現の自由を保障させることはできるような気がしますが、具体的な運用を考えるとあまり現実的ではなさそうです。それに、インターネットを一国の法律で縛るのもなかなか難しいですね。より国家に寄り添うのであればインターネットに国境を設けることも可能でしょうが、得るものより失うもののほうが多いでしょう。ところで、他に表現の自由を背負わされそうな私企業として出版社がありますが、「プラットフォームにとって好ましくないアカウントを凍結する」のは「出版社にとって好ましくない文章を掲載しない」のと同じ構造なのに、後者は特に怒られていない気がします。いったん発言の権利を与えると、後から取り消すのが難しいということなのでしょうか。不思議ですね。

ちなみに、独占・寡占は必ずしも悪でしょうか? 巨大なSNSプラットフォームが十分に小さく解体されたら、SNSでワイワイしたかっただけの人々が何もできなくなってしまう気がします。だって、みんなが集まる大きな広場で誰かと話したかっただけなのに、よく分からない理屈のせいで150㎡くらいの小さな公園しか作ってもらえなくなってしまったんですから。そういう羊みたいな人々は、独占・寡占だけではなく、他者からの統制さえも自明なものとして受け入れている気がしますし、巨大なプラットフォームによる支配から逃れたいとは思わないでしょう。悲しいですね。早く羊からインターネットを取り上げて草原を追い回し、その間に全てが解体されてほしい。

これからも独占と解体は繰り返されるでしょう。独占に服従するにはただ怠惰なだけでいいですが、解体するには大きなエネルギーが必要です。この非対称性はかなりしんどいですが、そろそろ解体のターンが来るような気がしています。

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